オラディアの空

MMORPG『DRAGON'S PROPHET』での日常を中心としたブログです。たまにイラストもあげます。

老獪な竜の昔語り

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レンディア『おお?誰かと思えば青いのじゃないか どうした? ふむ…儂の昔話を聞きたいのか なに、つまらない話だ それでも良いなら聞かせてやろう…』

儂がまだ主と会っていない頃の話だ

コーザインの奥で血の匂いに嫌気がさしていた儂は、ある日やつらが酒盛りで潰れてる隙にあそこから抜け出した 他の者たちにはここでオーセラ人の友を待てといわれて止められたが、儂はあの鉄臭いにおいが我慢ならなかった

外は今まで見たことないものでたくさんだった 透明で美しい水、遠く聞こえる城下町の商売人の声、ワイナディアに吹く風が連れてきた海の香り…血と金属の匂いに淀んだ水、腐りきった盗賊共の罵声のなかで生きていた儂にとって、それはすべて新鮮で美しく見えたものだ

だがその時の儂は考えてもいなかった あの場所は酷く悍ましい物ばかりで覆い尽くされていた しかし広がっていて気付きづらいだけで、外にも悍ましい物はあの中以上にあるということに

 

ある日、ワルキンというギガドラゴンの話を聞き、彼の名が残る沼へと向かった だがそこは狂ってしまったトロール共の巣窟だった お前も知っている通り、儂は自分で攻撃する能力はそこまでない 儂はやつらに襲われ、逃げる隙すら与えられずに捕らえられてしまった やつらは儂を巨大なサイドドラゴン…その頃はそんな奴らがいるとは知らなかったがな…の餌にしようとした

そんなとき、近くに隠れていたオーセラ人が現れ、やつらを倒して儂を救ってくれた やつは学会直属の騎士で、新しい騎士たちのためにドラゴンを探す旅をしていたそうだ 儂はやつの一族に惚れた 一瞬で襲い掛かってきたトロールを打ちのめし、やつらに愚かにも捕らえられた私を馬鹿にするどころか心配そうに声をかけながら救ってくれたのだからな 儂はやつに自分のような愚かなものでも力になれるかと問うた やつは笑って言ったよ、「あなたは弱いどころかとてつもなく強い存在だ もしよければ是非私たちの力になってもらいたい」 儂を認めてくれた、だから儂はやつの、やつらのちからになることにした

 

 

『そうして儂は今の主の傍にいるのだよ そうだ青いの、他のドラゴン達の昔話もせっかくだから聞いてやってくれ きっと他の者も言いたいことがたくさんあるはずだ』